何かと季節を感じる事はありますが、
そんな些細な季節の変化にも
名前が付いているのはご存知でしょうか?
今日は「薄暑(はくしょ)」
薄く暑いってどんな季節?
いつ頃使う言葉?
詳しく解説しましょう。
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薄暑とは?どんな意味?時期はいつからいつまで?
薄暑(はくしょ)とは、
初夏と言われる5月半ば頃、
少し身体を動かすと額に汗が滲んだり、
思わず上着を脱いでしまう・・・
そんな時期に使う季語です。
この季語は大正年間に定着したとされ、
それほど古い言葉ではありません。
自然の変化というよりも、
私達が体感する感覚的な意味を表す言葉です。
「薄(はく)」には、
”うすい”や”わずかな”といった意味の他に、
”迫る”や”近づく”といった意味もあります。
この時期はまだ春の涼しさも残しつつ、
それでいて日中にはわずかながら暑さを感じ
寒さという事はほとんど忘れ、
夏らしさ・夏の暑さの近さに比重がかかっています。
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薄暑と同じ時期の季語は?俳句にも使われている!?
同じ頃の季語には、
・夏めく
・夏浅し
という言葉があります。
ただ「軽暖(けいだん)」という言葉も
同じ時期に使われる季語とされていますが、
時候の挨拶「軽暖の候」は、
春に使われる語に含まれています。
5月それもほんのり汗する季節というのは
既に暖かさは迎えていますし、
暦の上では5月5日頃には夏へと
季節が変わる「立夏」を迎えるため
軽暖を夏の季語に含めるのはズレている気もします。
立夏の名前の意味や由来!時期はいつ?
また、「薄暑」を使った有名な俳句は、
◎高浜虚子
・旅帰り軽暖薄暑心地よし
・薄暑はや 日陰うれしき 屋形船
ここでも「軽暖」が登場します。
やはり時候の挨拶では3月なのに、
薄暑と軽暖が一緒に使われているのかに
とても違和感を感じます。
これには「暖」という言葉に原因がある様子。
「あたたか」と詠ませる反面、
「あつさ」と詠ませる紛らわしい
漢字の読み方によるものだと言います。
「薄暑」はその他に、
・夕薄暑
・薄暑光
などといった季語でも登場します。
「薄暑光」という季語を俳句に使われる方が多く、
どんな意味があるのか調べましたが、
薄暑という季語自体がそれほど歴史がないもの、
薄暑光などの季語も歴史が長い筈がありません。
なかなかその意味についてハッキリとしたものが
見つからず、それらしいものとしては、
薄暑の時期の、柔らかさを残した陽射しについて
夏へと近づく気温や陽射しの強さを
感じる視覚的な感覚を文字にしたものと思います。
あまり耳にしない言葉かもしれませんが、
少しかしこまった手紙などに
季語として使ってみてはいかがでしょうか?
日本語にはまだまだこうした
細かな天候や気候、体感や視覚などより
名のついた季語はたくさんあります。
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